体外受精の病院選びと成功率
妊娠するには体外受精という方法もあります。
体外受精の妊娠率は一般的に、
妊娠率 =(胎嚢があらわれた妊娠周期数)/(胚移植の周期数)で計算されます。
そして、体外受精は人工授精と比較して約三割増しの妊娠率であると言われています。
ところが病院によって妊娠率が変わると言われているのは、たとえば、「胎嚢があらわれた妊娠周期数」を「胎嚢があらわれなくても妊娠反応が陽性になった数」に変えれば、妊娠率は向上するのです。
つまり、分子値の定義を変えれば計算上の妊娠率は向上するということです。
このことから、病院側が公にする数値は良く吟味して受診する必要があるということですね。
さらに、該当する病院の患者年齢によっても妊娠率は変化してきますから。
年齢と妊娠率は相関関係にあります。
体外受精を希望する患者のうち、若い女性は妊娠率を上昇させ、高齢者は妊娠率を下げます。病院を選ぶときに、何に注意すれば良いか?
この場合、体外受精の妊娠率もひとつの視点になるのではないでしょうか?
と同時に、これまでに書いたとおり、妊娠率は定義の置き換えで数字を上げられることを忘れてはいけません。
さて、病院選びの指標にはwebページなどで体外受精スケジュールを見比べることもあるでしょう。
スケジュールは病院によって詳細に差があります。そこで、以下に一般的なスケジュールを記すことで、病院選びの比較になればと思います。
スケジュール1:排卵の誘発
受精卵をつくるにはひとつの卵子だけでなく多くの複数卵子があるといいので、排卵剤を用いて排卵誘発を行うのです。
これによって、良質で成熟した卵子を複数採取できるのです。
排卵の誘発を進めながら、ホルモンや超音波の検査を行い、卵胞の成熟度を診ます。そうして、卵胞が二センチ程度に成熟していればこれ、hcG排卵誘発剤という注射で、黄体ホルモンに似た働きを持っています。
スケジュール2:卵子の採取
指定の時間帯に病院で採卵が行われます。
麻酔(全身あるいは局所)を打って、膣から卵巣内の卵胞液ごと卵子を吸引します。麻酔を打っているので痛みを伴いませんのでご安心を…
採取された卵子は、洗浄の上、良好な卵子がピッキングされて培養液の中で成熟を待つのです。
スケジュール3:精子の採取
病院の採取室を利用するか、または自宅から持ち込むか。どちらかで病院に持参した精子は病院で洗浄と濃縮が行われて元気の良いものが選択されるのです。
スケジュール4:受精
これまでの課程で良好な卵子と精子が選ばれます。そうして、厳選された卵子、精子は専用容器に格納されて受精作業に進みます。
受精後、受精卵は細胞の分裂により丸二日48時間後には四つに分割されるのです。
スケジュール5:胚移植
分割されて複数となった受精卵から、良質のものが厳選されます。
そうして、選ばれたものが子宮内に移植されます。このことを胚移植と呼んでいます。
スケジュール6:着床によって妊娠
受精卵が子宮内膜におちついて根を張ったら着床です。イコール妊娠です。
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